某駅にて

たまにしか鉄道を利用せず、なおかつ日中の中途半端な時間にホームを歩いたりすることが多いのですが、そういうときはまず、次の列車の到着時刻を教えてくれる表示板を眺めます。ま、誰でもそうでしょうけれど、その表示板が示す情報の多さに改めて驚いたりするのは、あまり電車に乗らないヤツだけかもしれませんね。
昨日の某駅、次の列車が来るまで5分あると確認した後、件の表示板が別路線の情報を流しました。「○○線□□駅-△△駅間で人身事故のため運転を見合わせ」。これから自分が利用する路線ではないものの、乗り継ぎを予定している人にとっては知っておくべき事柄かもしれませんね。事前にわかっていれば、別のルートを検討することができますから。あるいは現在利用中の路線で、今なぜ電車が来ないのか、その理由を知りたい場合も、情報は的確かつスピーディに公開されるべきかもしれません。
ただ、人身事故と知らされると、したくもない想像を掻き立てられてしまいます。また、程度がどうあれ誰かが傷ついているとしたら、遅延に腹を立てるのも人としてどうなんだろうと思ってしまいます。いや、もしかしたら掲示板に表示される文字には鉄道会社だけが知っている隠語が隠されていて、実はまったく別の情報を伝えているのかもしれない。そんなことはないか。
表示板で示せる時数にはおそらく限りがあり、だから慈悲などお構いなしの事実だけを伝える。ふむ、見た人が不安になるより、そっちが大事ってことですね。もちろん了解です。けれど取材を終えて、今日もおもしろい話を聞けたよろこびと達成感を抱えて降りたホームでは、できれば人身事故という文字は見たくなかったなあと。そんな気分のときに、日常のそこここには危険が満ちている事実を思い出させなくてもいいだろうにと、それだけの話です。
表示板から視線を落としたあと、あえてホームの中央で電車が来るのを待ったのは言うまでもありません。

頂き物の、スープ飲み干したくなる部門優勝の1カップ。あ、先に豆を食べるべきだったか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA