一粒万倍日とか

古い暦に刻まれているという特別な日。そのひとつが、一粒万倍日。語源は素敵です。一粒の種籾から何万粒ものお米が獲れることから、大きな飛躍を意味しているそうな。そんな日が、今年は留意しようと決めた二十四節気の節目に訪れるとなれば、僕も気にしたほうがいいのかなあと思ったわけです。
ちなみに、直近の一粒万倍日は明日の3月28日。なぜ1日前にお知らせしたかというと、あれこれ準備しやすいと考えたからです。この類のラッキー特異日は何かと金運とつながっていて、新しい財布を買ったり使い始めたり、あるいは宝くじを買うのによいとされておりますね。
ただ、一粒万倍日は1年に60日くらいあるのです。誰がラッキーを振り分けてくれるのか知らないけれど、なかなかに太っ腹ですよね。「いや、一粒万倍日に天赦日が重なると最強なのよ」とおっしゃる方もいるでしょう。こちらは天が万物の罪を許す(赦す)日だそうで、年に数日しかなく、今年の一粒万倍日+天赦日はわずか3日。直近では6月4日にやってきます。
「いやいや、さらに寅の日や大安が重なったら無敵よ」と胸を張る方がいらっしゃるかもしれません。そうなると、指を折って点数を数える麻雀みたいだよなあと少し呆れつつ、これまた金運上昇を暗喩する虎の日を調べてみました。自分の干支でもあるし。そうしたら今年の誕生日に重なっていました。これは忘れないな。街角で万札がぎっしり詰まったスーツケースにつまづくかもしれない。
さて、どうでしょう。昨日のここで思ったようにはならない件に触れましたが、一粒万倍日とか天赦日とか虎の日だからと思ってしまえば、勝手な期待に失望する結果に陥るのかもしれませんよね。そもそも暦を基準に日本国民全員に運を振り分けたら、一人当たりのそれはとっても小さいんじゃないか。だから、存外・望外の幸運は、特に何も思わなかったときにこそ降ってくるのだと謙虚に構えているのが得策かなと。
いやいやいや、もう無理ね。自分の誕生日と寅の日が重なっていることを知ってしまったし、皆さんにも明日が一粒万倍日と伝えてしまったから。強欲が鎮まる気がします?

職人の背中は雄弁である。

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