その4/勝どき橋あたり、『かねます』の新小と新烏賊

蝶の話題から「今日のアテ」に
飛躍する、その大きなふり幅が魅力(?)
今日はキップのいい築地周辺からお届け。

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今から10年くらい前、まだ昆虫少年(中年)だった頃。
春の始まり、たった一週間くらいしかいない蝶たち、
スプリング・エフェメラルと呼ばれる妖精を探して、
まだ雪が残る岩手のカタクリのお花畑に探しに行った。
夜は温泉付きの郵貯の宿で、蝶の想い出を肴に宴会。

「スプリング・エフェメラルも、あと何回行けるかな?」
大震災から生き延びた神戸のおじいちゃんの言葉に、
思わず「まだまだ大丈夫ですよ!」と軽ーく励ました。
「いやいや、自分の足腰で山に登れるなんて、
森さんだって、もう20回あるかないかだよ、きっと」

唖然としながら、いつか寿司屋で見た光景を思い出した。
小肌の稚魚、年に一回しか出ない新小の握りを前にして、
品のいい老紳士が、手を合わせ、幸せそうに食べていた。
あの日の意味が、ようやく僕にも分かった瞬間だった。

日本に生まれた喜びは、春夏秋冬、四季があること。
そのときしか出会えない自然に接し、時には涙し、
そして、旬という形で、この身に享受さえできる。
だからこそ、一食一食を無駄にしたくない、絶対に。

で、旬をどこよりも早くリーズナブルに、と言えば、
勝どきの名店にして、立ち飲み屋、『かねます』である。
ここの新小、さすがは他店と違うひねりが加わっている。
なんと、天下の新小の上に、新烏賊が載っている!

写真の一切れが一杯、つまり烏賊一匹分という小ささ。
キュウリの蕾みが粋に添えられて、この上ない一皿。
これがまずいなんて言ったら、かのエルブリに怒られます。
と、『かねます』の大いなる秘話は次回に持ち越しつつ、
もういい加減、食べさせてくれい、写真撮ってる場合か!?

(ちなみに当日の新小、築地の卸値はキロ20,000円、
しかも、築地では顔の当店価格、一般卸は更に高額)

「異常に蝶に詳しい」というのも森さん情報のひとつです。う~む、ふり幅広すぎで、やっぱりとらえどころのない方ですわ。(T.T.)


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