号外2/識名交差点あたり、『てんtoてん』の「すば」
飲むためのアテを探すばかりがアテ道に非ず。
二日酔いを覚ます術を手中に収めるもまたアテ道なり。
そうかな? 今日は号外です。沖縄の「生すば」!
久々の号外、“飲み過ぎてしまった翌日の優しいメシ”である。
大晦日はもう通り過ぎてしまったが、そば、沖縄そばの名店だ。
まずは店名からして普通ではない。どちらかと言うとおざなりな、
まあ言ってしまえば、どうでもいいよなネーミング満載の沖縄で、
なんとなく知性とひねりがあり、それは食べ物にも表れている。
「すば」(そばの現地発音)は、なんと手打ちの自家製、しかも生。
通常、沖縄のそばは一度にたくさん作り、一回茹で上げてしまう。
そこにくっつかないように油を回しかけ、自然風で半生に乾燥。
いざ食べる直前にスープに通し、食べるというのが通常の方法。
茹で上げた途端に水でしめないから、弾力なんてまず望めない。
自家製麺で有名な「首里そば」や「御殿山(うどぅんやま)」でも、
オーダーしてから茹でるという方式ではないから、ボソボソする。
しかし、ここでは茹でたて。なんだか讃岐うどんの趣さえある。
もうちょい、なんか食べようとすると、縄文米のおむすびが!
食物の保存にも最適で見た目も美しい月桃の葉に載って登場。
世界遺産で有名な識名園近くの落ち着いた住宅の中にある、
蔦で覆われた瀟洒な一軒家が『てんtoてん』。建物の外観は、
ほとんど「カーザ・ブルータス」に載ってそうな洒落ぶり。
しかも、沖縄ではめずらしく日曜営業しているのもうれしい。
ところで沖縄のそば、そばとは言っても蕎麦粉は入っていない。
そこに目をつけた本土の連中たちが、復帰後、沖縄そばを苛める。
蕎麦粉30%以上含有しなければ、「そば」の名前は使用させない!
またもや勃発した本土の嫌がらせにウチナーンチュは抵抗を続け、
とうとう1978年10月17日に特殊例として「本場沖縄そば」が、
公正取引委員会に認められ、10月17日は「そばの日」になった。
そんないろんなことを思いながら、本土ニッポンの横暴と、
「そばの日」なんてつくっちゃうウチナーンチュにますます
じわーっとした敬意と愛を感じつつ、そばをズルーッといく。
すっかり血中アルコール濃度が低くなり、応戦態勢へ向かう。
さーて、今日は日曜日、浦添あたりまで足を伸ばして、
屋冨祖交差点の「祖冨屋」のゆみさんにでも会いに行くか…。
ケチャップ味の焼きそばをアテに、今日は珊瑚礁のクースだ!
なんだかんだ言っても、また飲むためのアテ探しなんですね。だけど、なんだかんだ言って毎回うまそうなんだよなあ。(T.T.)

それぞれの「引き出し」を
つくっているのはこんなひとたちです。