その28/故・西口商店街駅前通り、『ハセガワ』の「カレーライス」
森さんは時々怒ります。理不尽なことには怒ります。
失うべきでないアテが風前の灯となることは
やはり理不尽としか言えません。だから、怒ります。
今年の初め、「今日のアテ その21」は溝の口の「かとりや」、
「溝の口西口商店街よ、永遠なれ! 帰りはハセガワにでも寄って、
黄色いライスカレーの上に、ソースぶっかけて食べようかな…」
そんな風にラストを〆た。ところが、それから約二週間後のこと、
未だに犯人がわからない? というか、警察が捜査さえしない…、
心ない放火によって、西口商店街の駅側は全焼してしまった。
と、ここまでは良くある話かもしれない。問題はそれからだ。
戦後のマーケットの時代から頑張って来た愛すべき場所に、
もう一度自力(!)で店を再建しようとした商店街の人々に、
川崎市は無情な審判を下した。「再建不許可」のお達しだ。
もしも、火事さえなければ、老朽化した建物をいたわりつつ、
今も西口商店街は元気なたたずまいを見せていたはずなのだ。
確かに、行政側にも、それなりの言い分はあるとは思う。
「もともと、闇市からのマーケットは不法占拠だから」
じゃあ聞くが、不法占拠とはいつの時代からを指すのか?
広大な皇居に住んでいる方は、あの土地を購入したのか?
もともと、日本人って何物なのか、何がオリジナルか?
市役所に初めて外人職員を登用したと自慢していた川崎。
あれはただの自己宣伝だったのか、笑わせるな!
ただ一軒残ったクリーニング屋さん、そして「かとりや」。
西口商店街は今、地道な署名運動で市を説得しようと奮闘中。
どうか、のんべいの諸姉諸兄よ、溝の口に足を伸ばされたい。
そして、マーケットの人情に触れ、ほろ酔いで署名を!
未だ人気衰えぬご清潔な田園都市線に隣接したここ、
地上げ屋と川崎市と東急は、ビルを建てたくてうずうず……。
旧・霞町の交差点近く、親友の女のマンションで発砲事件。
六本木の利権を巡るヤクザの攻防はワイドショーでも放映。
しかし、全焼事件の後「アド街ック」は溝の口特集を再編。
無くなってしまった店の部分と風景を、ご丁寧にカットした。
人情が売りの司会者は、街よりも市とクライアントが大切。
無くなってしまった街の再建には何の興味もないらしい。
僕らはキムチを食らい、モツとホルモンに涎を垂らし、
フォーを食い、ナンプラーぶっかけてカレーを食い、
生春巻きを食べ、アジアのすべてをアテにしてきた。
しかし、アジアのど真ん中で、黄色いエゴイストたちは、
自分たちをアメリカ人や、欧州のお仲間だと思っている。
元来「田園都市」計画のお手本はパリの街並だと言う。
馬鹿らしっ! そんなもの、チューハイのアテにもならんわ!
森さんの怒り、そのままお伝えします。(T.T.)

それぞれの「引き出し」を
つくっているのはこんなひとたちです。