その38/ヤンバルどまんなか、『山甌』の「野草カレー」

3億年前から変わっていないであろう、
沖縄・山原の原生林のなかにあるカフェから
今日のアテと、今日の問題を……。


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人はみな、夕焼けのオレンジ色の中に過ぎ去った過去を想う。
だからいつも、圧倒的に朝陽より夕陽のほうが人気が高い。
沖縄の西海岸が、ことごとくリゾートの毒牙にかかって、
次々に自然を失っても、東海岸は手つかずのままだった。
夕陽が見えないことと、米軍の演習地だったこと……。
ふたつのマイナス要因のおかげで、山原(ヤンバル)には、
貴重な大自然がそのまんま残った、ということになる。

村民全体の税収よりも、宮里藍ちゃんひとりのほうが高額の村。
山原どまんなかの東村、そのまた中心に位置する高江区。
大形の蝶が群れ飛び、知らない声の蝉が無数に鳴いている。
樹木はいつか10mを越えるシダ、ヘゴの原生林に変わる。
きっと、3億年前から変わらない風景の中にある建て物。
黄色い琉球漆喰で塗り固められた小屋が、カフェ『山甌』だ。
ほぼ自給自足、パンもピザも自家製の窯で焼いている。

『山甌』には窓がない、そのままヘゴの林の中に建っている。
だから座ると、手が届くところまでヘゴの葉が伸びている。
下を見ると、眼下の川にリュウキュウハグロトンボが遊ぶ。
すぐそばの幹を、緑色のキノボリトカゲが登って行く……。
そんな環境で育った野菜と、付近に自生した野草たち、
それがカレーの材料だ、ほぼ自然そのものと言っていい。
米は、近くで自給自足の生活を営む森岡さんちの玄米。

ターメリック・ライスが付けられたチキンカレーもある。
ピザは摘んだばかりの野草ピザと、伝統的な沖縄食材、
スクガラスをアンチョビーに見立てたスクガラスピザ。
自家製のパン類もすべて美味しい、繊細で野性的だ。
向うのテーブルではオリオン・ビールの栓が開いた。
僕はドライバーに気を遣いながら、ペットボトル。
あらかじめ適量の水で割った島酒を、そっと口に運ぶ。


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高江は自然の楽園だ、森岡尚子さん一家の姿が、
TV「情熱大陸」で紹介されてから、全国区の憧れになった。
今では県内外から多くの若者たちが移り住んで来て、
農業を学び、自然の中で子育てに取り組んでいる。
しかし、楽園はまた日本政府と米国に浸食されている。
高江地区を取り囲むように、いつのまにかスタートした
米軍のヘリパット建設、そして7月9日にはまた、
恐るべき米退役軍人省の公式文書が見つかった。

60年代、訓練場一帯に米軍は枯れ葉剤を散布していた!
猛毒ダイオキシンは自然の中では消滅することはない。
今すぐ僕らにできることは少ない、しかし少なくとも、
日本の片隅で起こっている現実に目を向けて欲しい。
高江=東村=沖縄=日本、これは僕らの問題だから……。
http://takae.ti-da.net/
(高江のブログをぜひクリックしてほしい)

共生、という言葉の意味について、やはり深く考えてしまいますね。(T.T.)


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