五嶋佳代 Goto Kayo
僕は、ほとんど飲みに行かない人間でした。お酒が嫌いなんじゃなく、普段の移動がクルマかオートバイで、帰宅時間もまちまちだから、誰かに誘われたり誘ったりという機会が少なかった。
けれど最近、なじみの店ができました。クルマもオートバイも置いて、誰と待ち合わせするでもなく立ち寄れる場所。それが、渋谷のガード脇にある、「莢(さや)」という小さな隠れ家。この店がある細い路地は、「のんべい横丁」と呼ばれています。
その「莢」を切り盛りしているのが、五嶋佳代さん。佳代さんは、「棗(なつめ)」というレストランを2000年1月に代官山でオープンさせ、同じ年の5月に「莢」を開きました。以前は、服飾の世界にいたそうです。
でね、「棗」もそうだけど、「莢」にやって来る人は、ほとんど間違いなく佳代さんの人柄に惹かれています。
ひとつ質問してみました。どんな心構えでお店をやっているんですか、と。
「飲食業的水っぽさを持たない、というのが最大のポイントかなあ」
その答えに感服です。なるほどね。ここに来るお客さんを見ていても、それはわかります。誰もが「飲食業的水っぽさ」に甘えていない。変な表現ですけど、そういう感じ。女性がひとりで来て、その日はじめて会う人と気軽に会話できる場所なんて、ましてや渋谷では皆無に近いだろうなあ。
そうして「莢」に集まるいろんな人たちのことを佳代さんが独自に分析して紹介するのが、この「横丁プロファイル」です。タイトルつながりで「分析」などと固目の言葉を使ったけど、きっと佳代さんは、ここに来る常連さんたちが大好きなんでしょう。そのチャーミングさを自分だけが知っているのはもったいないかも、と思っているのかもしれない。
確かにもったいない。少なくとも僕は聞きたいもの。 いやいやまったく、またしても楽しみなコンテンツができました。
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