歌舞伎座通信 その後

最初に言っておきますが、別にトクに歌舞伎座に思い入れがあったわけではないんです。いつも通る風景の中に歌舞伎座があって、時々には公演前後の時間帯に当たってボクのアゴの高さくらいの母親くらいの女性のみなさんをかき分けて前に進むことがあったり、美味いと評判の、歌舞伎座の傘の下のそば屋でちょっと虫養いをしたり。
まあ、そんなつかず離れずの、クラスは同じだけど、出席番号でいうと一桁台と最後の方、くらいの関係でいただけなんです。正直に言うと、中に入ったのなんて2回だけだし、ね。
でも、確かにその2回のインパクト、というか、価値はすごかった。魔宮殿! というか、ホント異次元でしたねえ。また行きたいか、と聞かれれば、行きたい! と素直に答えることが出来る……な。うん。
じゃ、スキなんじゃん。
あ、そうかあ。こんな気持ちも、出席番号も席も離れていた同級生への思いにつながる、か?
そんな、つかず離れずの歌舞伎座が解体という運命を受け入れて閉められたのは、ほんの数週間前でした。
で、とはっ! と、先週びっくりしたのは、人の出入りがなくなって(正確に言うと工事の方は出入りしているので、住人がいなくなって、というほうが正しいのかなあ)ほんの数日で、正面の入り口の庇の上に!? 分かりますかね? もう、草が生え始めているのです。
栄華盛衰草の声。昭彦
と、思わず詠んでしまいました。
すごいなあ。それとも、今までは毎日庇の上に担当の人が上がって草むしりしていたのかなあ。誰かご存知ないですか?歌舞伎のメンテナンス部の活動。
『ブランドは常にフレッシュでなければいけない』と言ったのは、ルイヴィトン・グループのアルノー氏ですが、『ブランドは常に呼吸し続けていなければいけない』のですね。

