ブランドの言葉たち #1 『儲かるものであること』

『儲かるものであること』 by ベルナール・アルノー

お待たせしました!! ようやく、お約束の連載を始めます!
さて第一回目は、"ブランド"という響きに甘い幻想を抱いていたあなた(そうでもない??)に冷水をかけるような言葉からのスタートです。いやあ、ボク自身は、この言葉を聞いて......、とはは、なるほど~、なんて正気に返っちゃった記憶があります。

言葉の主、ベルナール・アルノー(1949-)は、ルイ・ヴィトン、クリスチャン・ディオール、ベルルッティといったハイファッションから、シャンパンのドン・ペリニオン、モエ・エ・シャンドンまで、世界に冠たる高級ブランドを傘下に収めるLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)グループのCEO。もちろん世界の長者番付の常連、ですね。この言葉は、ブランドとはなにか?と問われた時の彼の答えのひとつです。

実は、
1 タイムレスであること
2 モダンであること
3 成長するものであること
が、先に来て、一番最後に(ある意味強調する形で)
4 儲かるもの
と続くのです。

もともとフランス北部の裕福な家庭に生まれ、家業の建設業を継いだアルノーがファッションビジネスに興味を持ったのは、ニューヨーク滞在中に乗ったタクシーの運転手に「フランスの大統領の名前は知らないが、クリスチャン・ディオールなら知っている」と言われたことにある種の衝撃を受けたからだと言われています。なるほど。ちょっとした都市伝説のようなものですが、確かにそうかも。優れたビジネスマンは、こうしたところからアクションのきっかけをつかむのもまた事実です。

ちなみにアルノーはとあるインタビューで、アメリカのブランドには興味がないのかとの質問に「確かに良いものがあるが、歴史がないでしょ」と応じているのもまた興味深い。きっぱりした人です。そして、いかにもフランス人!

さて、ブランディングの仕事をしていると「ブランド」の定義が人それぞれであることに改めて気がつくことになります。歴史がある、コアなファンがいる、などは誰もがあげる条件の一つですが、アルノーのように「儲かるもの」とビジネスの側面からの価値をすぱっと言い切ったひとはこれまでいなかったんではないでしょうか。なんだか、それ言うと嫌われそう、なんて感じがしますからね。ブランドって、頑固な職人が一途にもの作りをしていたら、いつのまにかファンが増えていた、なんてちょっとおとぎ話を期待すること、ありますもんね。ない?

いずれにせよ、さすが「カシミアを着たオオカミ」などとその強引なビジネス手腕を揶揄されることもある彼なりの見識です。
でも、確かにそうなんです。今日、ビジネスとして成り立たなくなってしまったものをブランドとは呼べません、残念ながら。

『ブランド』を創ってきた人たちの言葉から今を生きていくヒントを探していきます。次回は、アルノーのちょっと違う側面を垣間見るような言葉をご案内します。お楽しみに。

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というわけで第一回目の写真は、カメラマンの KEITA NAKADAくんが撮ってくれた撮影現場の隅っこでのボクです。
なぜこれ? と聞かれるとあまり深い意味ないんですが......。とはは。



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