はじめまして、イェンスです。
デンマークからやってきたイェンス。
ちょっと遠い北欧との距離を一気にちぢめてくれる
“食”を中心にしたコラムがはじまります。
第1回目は、イェンスの“食べ物哲学”
「生きるため食べなくてはならない。食べるならおいしいものが食べたい」
これは、僕なりのちょっとしたモットーになりつつある言葉です。
いつからだとはっきり覚えていないけど、添加物が入っていたり、インスタントでつくれる、いわゆる「嘘」の食べ物を口にしないと決心した。
おいしい“本物”の料理を食べる/作ることにしたのだ。
デンマーク生まれ育ちの僕は、子供のころから料理が好きだった。お母さんの夕食の手伝いや、実家で育てた野菜やフルーツの収穫や、ジャム作りなどもよく手伝った覚えがある。
生な材料を組み合わせ、調理し、まったく新しいものになるのは、子供の僕にとって不思議なことだった。
イチゴのジャムを煮込むときに出る“泡”(アクみたいなもの)を食べた記憶があるし、クリスマス時期のケーキ作りも毎年楽しみだった。
「生の生地を食べ過ぎるとおなかを壊すよ」とお母さんから注意されたこともよく覚えてる。
デンマークでは、自分の誕生日ディナーのメニューを誕生日の人が決める。僕は毎年、中華、インドネシア料理、インド料理など変わった注文をお母さんにした(当時、日本料理はまだ知らなかったので選択肢に入らなかった)。
お母さんはいつも苦労して、あまりデンマークで手に入らない外国の調味料や材料を探してくれて、なるべく本物に近い料理を作ってくれた。
材料が見つからなかった場合は、代わりにデンマークの食材を使って工夫した。
「料理は、ここにある材料でどこまで美味しく出来るかがいちばん大切。高いステーキ肉を買って焼くのは誰でもできる。一般的な材料をおいしくするのが本当の料理だ」と、お母さんはよく言ってくれた。
材料は高い物ではなくても、「本物」(英語で言うとHonest)であれば、ジャガイモ、トマト、サラダの葉っぱだって美味しい。
素材が本来持っている味、香り、食感をうまく生かすのが重要。難しいことはしない。簡単な料理をする。
でも、手抜きはしない。できるだけ自分で作る。みそ汁のおだしは、鰹節を削って作る。おみそも手作り。ジャムやピクルスやハーブも自分で作っている。
これからここで、北欧の食や文化、そして僕がつくる料理に関するあらゆる事柄について、
皆さんとシェアして行きたいと思います。
よろしくお願いしますね。
やっぱりデンマークにも「おふくろの味」はあって、味覚そのものだけでなく、母親の記憶すべてひっくるめて、今日を生きる僕らの支柱になってるんだろうな。
イェンス・ママに会いたくなりますね。(T.T.)

