1659年製の伊万里焼の器。取材先で触れさせていただきました。
個人博物館の館長さんのご厚意です。1659年がどんな時代だったかというと
徳川家康が征夷大将軍に就き、いわゆる江戸時代が始まったのが1603年。
それからわずか56年後。時の将軍は四代目の家綱でした。
江戸城の本丸造営が竣工した年だそうです。元号は万治2年。万事元年には、
昨年の大河ドラマ『真田丸』で知られた真田昌幸の長男で信繁(幸村)の兄、
信濃松代藩の初代藩主だった真田信之が亡くなっています。
92歳の大往生でしたが、それでもこの頃はまだかろうじて
戦国の残り香が漂っていたのかもしれません。
1659年とは、そのような歴史を語れるほどの昔です。
件の焼き物は、長崎を経て海外に輸出されたそうです。
それが巡り巡って日本に戻ってきた。その間、358年。
掌に乗るほどの小さな白い器は実に質素なデザインで、
それにふさわしいほど繊細なつくりです。
言うまでもなくひとたび落としたら簡単に割れてしまいます。
金継ぎによる修繕は可能かもしれませんが、修復措置を施した瞬間から
元の器とは異なる道を進むことになるでしょう。
僕が素直に驚き、また感動したのは、破損または損失を乗り越え、
現代人の前にその姿を残している奇跡と、その奇跡を現実のものとするため
大事に守ってきた幾多の人々の愛情の深さです。
それより古い焼き物も、それより美しい器も他にいくつもあるでしょう。
でもね、僕が触れることを許されたその伊万里は妖精のように儚くて、
文字通りわずかに妖しさをたたえていました。
元からの個性なのか、長い年月の中で蓄えたものなのか。
いずれにせよ長く触るのはためらいました。
僕にはその重みを受け止める度量がないように思えたから。
写真は『Today's Snap』にあげておきます。

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