武器は「考える力」


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Photo:Okamura Masahiro


T.T.  ここまでは選手の話を聞いてきましたが、今度はカマセン自身について尋ねましょう。ところで、なぜスポーツトレーナーになろうと思ったんですか?
鎌田 最初は、大学を卒業したら体育の先生になろうと考えてたんですよ。でもね、勝負が好きなんだなあ。競争にのめり込んで熱くなるというのが性に合ってる。
T.T.  運動会で燃えちゃう先生ってのもどうかと思うから、そういう意味じゃスポーツトレーナーのほうがよかったかも? 自分が選手になるという道はなかったんですか。
鎌田 ずっと陸上をやってきたんだけど、体格に恵まれなかったからね。あと、大学時代の前半は、すっかり怠けてた。
T.T.  藍ちゃん、貴久くん、聞きましたか? かつては怠け坊主だったらしいですよ!

鎌田 いや、あきらめちゃったのね。この体格じゃ無理だって。それで2年生くらいまでは毎日マージャンばかりやってた。でも、このままじゃいかんと思って、一念発起して練習したのが3年生のとき。必死で頑張ったら三段跳びでインカレに出場できた。
T.T.  やればできる子だったのに、なんてもったいないことを……。
鎌田 まったくその通り。でも、体格のハンディをどう克服するか必死に考えたんですよ。創意工夫の連続。そのときの経験が、いまの仕事のベースになってるんです。
T.T.  考える力が武器?
鎌田 自分で言うのも何だけど、頭のアスリート。で、勝ち負けにこだわるから、天職に就けたんだろうね。頭の訓練はいまでも欠かさないですよ。料理で鍛えてる。
T.T.  ……?

鎌田 料理に見立てると、この仕事ってわかりやすいと思う。素材が選手でシェフがトレーナー。
T.T.  ふむふむ。
鎌田 素材がよければ塩を振るだけでいい。さらにおいしくしようと思ったら、しょう油や調味料を使う。その判断の的確さはトレーナーにとってもっとも大事。ということを、実際に料理しながら考えてるわけですよ。冷蔵庫を開けて、その日に入ってる素材で何をつくるか一瞬で決める。その直観力を、僕は料理で鍛えてる。本当に役に立つよ。自分ではそう思う。


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T.T.  今度は素材を用意するので料理の腕前を披露してください。では最後に、今後の目標を尋ねます。
鎌田 まずやらなければならないのは、宮里三兄弟のレベルアップ。藍ちゃんはアメリカツアーでの優勝。お兄ちゃんたちはマスターズ参戦。
T.T.  ぶっちゃけ、藍ちゃんはどうですか?
鎌田 LPGAのトップ20にはすぐ入れるでしょ。でも、5本の指になると、まだ難しいね。ゴルフの技術レベルでもっと上に行かなくちゃいけないし、現状では引き出しが少ない。これは経験を積む以外にない。それは本人もわかっているから、着実にレベルアップしてゆくでしょう。
T.T.  カマセン個人としての将来は?
鎌田 いつかは腰を据えて弟子を育てたいけど、いまは自分の経験値を増やすことで手一杯。というか、勝負の現場にいることが好きだから、当分はこのまま突っ走るでしょう。
T.T.  で、藍ちゃんに体力オヤジと驚かれる。
鎌田 それはもうずっと驚かせますよ。


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かまた たかし
1962年生まれ。1987年、東海大学大学院体育学研究科修了後、スポーツトレーナーに。宮里 藍選手のゴルフ、藤波貴久選手をはじめとするモータスポーツ以外に、野球、ソフトボール、相撲、競輪、体操、陸上競技等、さまざまな分野のアスリートを指導。鎌田 貴さんのホームページ『KAMASEN.NET』はこちら。

「170の部屋」は、『SODA CAFÉ』からお届けしました。

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素敵なカフェからお送りしてました。最後は、この店の看板ガール、パティシエの中村ユキさんの笑顔です。

『SODA CAFÉ』
東京都目黒区自由が丘2-14-9 B1 Tel.03-5701-6465
*ホームページがないので、このあたりからさぐってください。地図をクリックすると拡大します。

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