“ホノルル”トレーニング実行中/治療編(2)

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これが僕の右ヒザ。爆弾はどこだ?


ヒザ痛の真実


紹介してもらった専門医は、「こやまクリニック」の小山 郁先生。
日本体育協会認定スポーツドクター。ご本人も長く柔道をやってきた関係で、アテネオリンピック柔道チームのドクターや、講道館ビルクリニック院長を務めたこともある。そうした経緯によって、先生のもとには現役のアスリートも数多く通い詰めているらしい。

小山先生の治療方針は、ケガといかに付き合って競技を続けてゆくか、なんだそうだ。それを聞いてホッとした。いまさら“ホノルル”を断念することはできない。とにかくこのヒザの痛みの原因を知り、残り少ない日程のなかでできる限りの調整をしたいと思った。

と同時に、何か先天的な欠陥が判明したら、それはそれでキツいだろうなと不安にもなった。

小石川の雑居ビル4階。平均年齢の若そうな、そろいのポロシャツを着たスタッフがはつらつと対応するクリニック。「ランニングスタイル」を通じて紹介してもらったので、小山院長直々に診てもらう。

まずはレントゲン。両足のヒザをそれぞれ2つのアングルで撮影。余談だけど、最近のレントゲンはフィルムではなくデータで処理されて、現像を待つことなくPCの画面に映像が出る。

そんなことに感心していると、診察台の上にあおむけで寝るよう指示される。そして小山先生は巻尺を取り出して、ヒザの周囲を計り出した。
「右、45cm。左、46.5cm」
利き足ではない左のほうが太いんですね。
「器用に動くほうの足を支えるため、田村さんの場合は左足の筋肉が発達しているんです。ただ腕と違って足は、左右の太さが同じほうがバランスはいいですけどね」

次に、あおむけのまま、ヒザを軸にして足をぐりぐり。
「これは痛いですか? これはどうですか?」
どこも痛みません。
「なるほど。ではレントゲンを見てみましょう」
モニターに映る、僕のヒザの骨。

「関節の隙間はまだ十分に開いていますが、やはり骨の一部が擦れて尖ってますね。年齢的なものなので、これはどうしようもないんです」
年齢的? それが痛みの原因?
「いわゆる太ももの筋肉、具体的に言えば大腿四頭筋が衰えてきて、衝撃吸収力が落ちてるんです。それがヒザの負担となって痛みになったんでしょう」
先生、原因はそれだけですか?
「骨も靭帯も筋肉も、重大な問題はありませんね」
先天的でドラマティックな欠陥は何もなく?
「認められませんねぇ」


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親切な小山先生は、「それじゃ僕のと
くらべてみましょう」と、ご自身のレント
ゲンを見せてくれた。検証すべき箇所
は二連の峰みたいに尖った部分。素
人には判別不可だけど、僕のほうが
削れてるらしい。


小山先生は決してそうは言わなかったけど、つまり僕のヒザの痛みは、加齢が原因みたいだ。加齢。いま耳にもっと入れたくない、不愉快極まりない言葉。
だが、僕を襲った衝撃はそれだけじゃなかった。ヒザに根源的な欠陥がなく、それでも痛みに見舞われた原因を考えたら、僕のトレーニング方法に大きな誤りがあったことに気づいてしまったのだ……。


TTRUN13B.JPG 加齢にがっくし……。


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