“ホノルル”トレーニング実行中/治療編(3)
こやまクリニック後、僕の手元に残ったもの
11月の後悔
「ランニングスタイル編集部から聞きましたが、内山先生がコーチをされているんですってね」。体は大きいが優しい声で、小山先生はそう言う。
はい。コーチは内山先生です。
「あの先生はよくおっしゃってますね。ゆっくり走るのも才能だと」
確かに内山コーチは、これまで一度たりとも速く走れとは言わなかった。トレーニングのスタートは、常に“歩き”から。それが最初はもどかしくて、これじゃランニング教室じゃなくてウォーキング教室じゃん、とか口のなかでつぶやいていた。
けれど、ゆっくり走るのも才能だったんだ……。
そして僕は、ここでようやく後悔をするのである。トレーニングの失敗。
これは自慢でもなんでもなく、個人練習をはじめた6月の時点で、僕は中途半端に走れてしまったのだ。それは、ほぼ毎週10年以上アイスホッケーを続けてきたおかげだった。けれど、ランニングとアイスホッケーでは使う筋肉が違う。本当は、アスリート的基礎身体能力があれば、種目に左右されないのだろうけど。
とにかく、なまじ走れたこと、それから毎回のトレーニングに達成感を求めた焦りが、大きな負担となってヒザに集中したんだと思う。初心者の最初の目標とされた「5キロ/30分」を、たとえば7キロとか、あるいは40分というように軽めに設定して、徐々に積み上げてゆくべきだったのだ。
と納得しても、手遅れ感は否めない……。
「痛むときは練習を休むこと。それからアイシングとストレッチは怠らないように。通院する必要はなさそうですね。ひとまずシップ薬を出しておきましょう」
帰り際、会計窓口で小山先生の『新版・図解スポーツ・リハビリ』という著書が置いてあったのを見つけ、それも購入した。手遅れな気分も、これを読めば少しは癒されるんじゃないかと思って……。
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『新版・図解スポーツリハビリテーション』
これを読んで、“あと半月”に備えます。
