ホノルルマラソン リアルリポート(4)

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驚愕のダイヤモンドヘッド

本当につれづれなるままに書いているので、年をまたいでもスタートから1時間しか進んでいない……。

ホノルルマラソン最大の難所だと言われているのが、ダイヤモンドヘッドをめぐる坂道。スタート地点と頂上の標高差は約80メートル。往路は、左手に山の斜面。右手に海が臨むロケーションだ。
実は大会前日にクルマで下見をしていて、ここで頑張りすぎたら後半は絶対バテると思った。それくらい、いやらしくゆるゆる傾斜しながら頂点を目指す坂道なのだ。

だがしかし、大会当日となったらちっとも走れない。高速道路で自然渋滞が発生する原理と同様に、あふれんばかりのランナーがみなペースを落とすから、まさにヒューマントラフィックジャム状態! 坂道より人いきれが息苦しい。そういう事実は、誰も教えてくれなかった。
そんなふうにして坂道以外でイラついた往路ダイヤモンドヘッドだが、僕はここで驚愕の事実を目の当たりにする。


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まずは上の写真を見てほしい。これは、参加者2万8千人の先頭を行く選手の先導車。シボレーのピックアップに搭載されたデジタル表示に注目。優勝したエチオピアのアンベッセ・トロッサという29歳のランナーは、それから9分22秒後にゴールすることになるのだけど、僕はその時点でスタートから約8マイル、およそ13キロしか走っていない。

なんたる差! その違いを計算する力などなく、あわててカメラを取り出し、そしてただただ拍手で見送るだけ。周囲の渋滞ランナーたちも、みな同じようにしていた。それを受けたトロッサ選手、ちょっとはにかんだような表情を見せた。

しかしなあ、と思った。ダイヤモンドヘッドの先にもコースは続いていて、その遥かな道程を同じ本数の足で、その速さで駆け抜けてくる能力とは、いったいどういうものなんだろう。

人間という生物が42.195キロを2時間台前半で走り切る事実は知っていた。けれど、いま風のように僕の脇を過ぎ去った姿は、なんだか絵空事のように見えた。自宅の居間でテレビでも観ているような、そんな錯覚に陥った。

と同時に、この先にまだ30キロもの距離が待ち構えていることが信じられなかった。自分はここで何をしてるんだろう? のん気と言えばそれまでだけど、相変わらず人いきれの激しい坂道で、僕はそんなことをぼんやり考えていたのである。


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