ホノルルマラソン リアルリポート(6)

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水浸しのエイドステーション


おそらく誰でも1度くらいはテレビのマラソン中継を見たことがあると思うけど、ランナーが走りながら水分補給を行なうシーンは、特に印象的なシーンとして記憶してるんじゃないだろうか。

というわけで今回は、その水分補給所について。

2006年のホノルルマラソンでは、エイドステーションと呼ばれるオフィシャルな補給所が13箇所用意されていた。42キロ中の13箇所と言えば約3キロおきだから、相当に安全マージンを確保した、ランナーにとってはありがたいサービスである。

エイドステーションに用意されているのは、紙コップに注がれたアミノバリュー(大会御用達飲料)と水、そして水を含んだスポンジ。
いずれにせよ水分に関するエイドが確立しているんだが、走りながら紙コップの水を飲むというのは、罰ゲームに匹敵するかなりの非日常的行為なので、当然だらだらこぼれる。
さらに、水を含んだスポンジは熱を帯びた体を冷ますため足や腕に直接当てるから、これまた相当量の水が地面に落ちる。

従って、エイドステーション付近の路面はマンホールが決壊したような水浸しなのだ。シューズを濡らすと気持ち悪いだろうと思っても、ほとんど無駄な抵抗。少なくとも表面部分はひたっと湿ってしまう。

それ以上に気の毒なのが、エイドステーションに立つ人々だ。僕が見た限り、髪の毛が乾いている人は皆無。そろいのオレンジ色のベストも太陽を浴びててらてら光っていた。

でも、たいがいはみな笑ってる。なかには、さすがに辟易したのか顔を上げない人もいたけど、どんなに水浸しになろうとも、誰もが自分の役目をきっちり果たしていた。
聞けば、およそボランティアなんだそうだ。紙コップを受け取るたび、できるだけお礼を言ったけど、僕に彼らの仕事ができるかと問えば、う~むと腕組みしなければならない。


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オフィシャルではないエイドステーションもある。筋肉疲労を和らげる薬品会社が無料で自社製品を提供するサービスや、それから沿道の人々がバナナやキャンディなどを配ってくれるポイントもあった。

特に気になったのは、サロメチールのサービス。サロメチールじゃなかったかな? とにかく筋肉の炎症を抑える軟膏だったことは確かだ。それも何箇所かで無料提供が行われていたんだけど、そこで表示されていた文字に目がとまった。

「食べないで!」

正確な文言じゃないが、とにかく日本語で(おそらく英語でも)そう示されていた。きっと過去には、よほどの空腹を抱えていたか、あるいは単なる興味本位かなんかで口にした人がいたんだろう。
あの軟膏、鼻の奥までつんざくような刺激臭がするはずだ。それに警告を感じないケースも、このフルマラソンでは起こり得るのかもしれない。

いやまったく非日常的な行為のど真ん中にいるんだなあと、その看板を見たときは足元が濡れるのを忘れて見入ってしまった。


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