サムサッカー (0002本目)
キアヌは常に正しい!?
今日は、築地から少し足を延ばしたソニーピクチャーズの試写室へ。
お題は『サムサッカー』。
アメリカの田舎高校生、サムがかの地ではマイナーなスポーツ、サッカーに情熱を注ぐ青春ストーリー……。じゃあない。
サムは「親指」を意味するthumb。サッカーはおなじみのsoccerではなく、suck(吸う)のer形でsucker。ふたつ合わせて『Thumbsucker』。つまりは「親指をしゃぶる人」の意だ。
親指をしゃぶる行為は、おかあさんのオッパイの代替として乳幼児がする行為として知られるが、この映画の主人公は17歳の高校生、ジャスティン。色白で、やせっぽちのジャスティンは、こころが緊張に縛られると親指をしゃぶらずにはいられない内気な少年だ。
社会通念的にみれば、指をしゃぶるという行為は幼少さをイメージさせるが、ジャスティンは好きな女の子とのちょっとエッチな妄想にも通じていたりする。そういった意味では健全な普通の高校生だけれど、元アメフト選手で、見るからに体育会系のお父さんは当然、そんな息子が許せない。
「もういい歳なのになんだ、おまえは!」、「いい加減にしろ!」とどなり散らす。
そのシーンでも分かるとおり、指をしゃぶるのは大人には許されない行為であるという認識が一般だ。しかし、それ自体は医学的にも心理学的にも異常はない。なぜ、そんなことが堂々と宣言できるのかというと、映画の中でキアヌ・リーブス演じる歯医者がそう宣言するからである。そう、キアヌはいつも正しい。
が、「高校生が指をしゃぶるなんて奇をてらった設定もどうかね」と思うみなさん。ちょっと待った。この映画の注釈、参考資料とも言える形でエンドロールにクレジットされているサイト。その名も「親指をしゃぶる大人達・ドット・コム」だ。そのストレートなネーミングもすごいがこのサイトを観るといかに多くの「親指をしゃぶる大人達」が世の中に存在するかを知ることができる。
世界は実に深淵だ。ソクラテスは人間の「不知の知」を語ったけれどそれを思い知らされる。と、同時に、この一風変わった設定の映画も伏線があるのだと知る。
で、話の筋だけれどそれは他へ譲ります。ただ、映画はとても良かった。
9月23日(土)、シネマライズ他にて公開
公式ホームページ
http://www.sonypictures.jp/movies/thumbsucker/index.html

それぞれの「引き出し」を
つくっているのはこんなひとたちです。