不思議の100回
こんな僕でもテレビでレギュラー番組を持てるなんて、
まったく混迷きわまる時代の流れとしか言いようがありません。
子供のころ、テレビに出ている人と言えば
まるで別世界の住人だったでしょ? それがねぇ……。
あれは7年前のいまごろ。知り合いがテレビ局に入るというので、
電波業界の事情などまったく知らないのに興味本位で
番組企画書を手渡したんです。
1年間寝ていたその企画書が目を覚ましたのは6年前の8月頃。
「秋からオンエア決定。あんたナビゲーター」といきなり告げられて、
2001年10月、第1回目の『車輪倶楽部』が放映されました。
インフラが整い、将来性を大きく期待されはじめた衛星放送。
けれど番組が足らない、というのが当時の状況でした。
だから演者経験のない素人でもいくらかの
専門的な知識と経験があれば、とりあえずよかったんでしょう。
最近でこそようやく慣れたけど、カメラを直視できなかったんです。
変でしょ、レンズに向かってしゃべるなんて。
あわてて噛むなんてのはいまでもしょっちゅう。
不細工な自分の姿や声を目の当たりにすると相変わらず萎える。
「見てるよ」なんて言われたら、謝っちゃいますからね。マジで。
不思議なのは、そんな自分がフロントに立つ番組が
今夜で100回目を迎えること。
こんなに長くひとつの仕事に関わらせてもらえることには
感謝の気持ちしかないんだけど、
なによりまだその世界にいることに驚きます。
テレビに出てる人、なんだよなあ。
100回やっててきてもその自覚が上手に芽生えない、
なんとも不思議な気分です。
