秋のおじさん

広めの歩道の端っこにちょこんと座って、
黙々と絵を描いているおじさんを見ました。
目の前の樹を描いているようなんだけど、
のぞき込むのは失礼なので、通りすがり、
その背中の写真を撮りました。

と同時に、ああいうおじさんになるのも悪くないなあと……。

いい歳の取り方とか、そんなふうに歳をとっていきたいだとか、
ほとんど考えたことがなかった。
ビジョンのない人生といわれたらそれまでだけど、
おおむね歳を取ることに抵抗していたわけです。

特に20代の終わりごろは30歳になるのが本当にイヤで、
もうオレも終わりだぜとか真剣に悩んだんですよね。
でも、終わるどころか20代よりずっと楽しくて、
30代から40代になるときには時の流れに抗っても仕方ねぇやと
開き直り、まぁそうして今日に至っています。

46歳にもなっていまだに未熟な自覚もあったりしつつ、
さすがにライフタイムの半分は過ぎただろうと感じ、
ちらちらと今後というものを考えるようになるんですね。
たとえば、そんな絵描きのおじさんを見かけたりすると。
ただそれだけの話なんですが。

50代になると、突然絵を描きたくなるものらしいです。
ナイスな兄貴たちの何人かは、そんなことを言っていたなあ。
絵描きのおじさん、その背中はどこか父親に似ていました。
ウチの父親は、定年手前で写真をはじめたんだっけ。


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