170/憧れは堂堂巡り

昨日ちらっと書きましたが、NYのオオフチさんとメールで話したのは
「若い頃に憧れたものは、歳をとるとなぜかまた気になる」という件。
そうそう、そうなんです。還暦という言葉は文字通り暦がひと回りして
元に還るというもので、しかし還暦までにはまだ十分に時間はあるけど、
なぜまた興味が昔に引き戻されるのか、その理由はぜんぜんわかりません。

たとえば歌なんかだと、当時といまでは内容に対する理解が変わるよね、
と言われたりします。確かに、いろんなことを経験してみると、
ホレたのハレたのという歌詞の裏側にある機微みたいなものが
読めるようになったりはする。

かのボブ・ディランは『風に吹かれて』という曲を1962年につくりました。
なんと27歳。その若さであんな名曲を紡いでしまった。
となると、数日前に71歳になったディランが『風に吹かれて』を
歌うときはどんな思いをめぐらせるんだろう? 
って、話がまた少し遠ざかり......。

若い頃に憧れたものって、自分でも驚くほど記憶に焼き付いていて、
歌に戻りますけれど、歌詞やメロディや、あるいはギターのコードが
すっと出てきます。それを記憶のまま奏でるとすごく気持ちいい。
ってことは、若い頃の憧れは一種の呪縛なのかもしれないな。
そこから新しい地平を目指したつもりでいたのに、
気づけば元の場所に戻っている。地球は丸いってことか?

......支離滅裂ついでに言いますが、 いまの僕のささやかな願いは、
僕のギターで松田聖子さんに『赤いスイートピー』を歌ってもらうこと。
決して新しい憧れじゃないね。でも、人生かつてない挑戦ではある。
他の誰もよろこばせることはできないけれど。


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招くようにそこだけ明るい、という瞬間。