170/十年

今日生まれた子の10年後を想像するのは意外にむずかしいかもしれません。
今日生まれてくれたよろこびがすべての想像を飲み込んじゃうだろうしね。
2、3歳あたりのかわいらしさで止まってくれてもいいかも、
なんて考えるのは大人の我がままですけど。

10歳の子が20歳になる間には、心も体も大きな変化を迎えるでしょう。
場合によってはまったく別人に見えるかもしれない。
20歳からの10年は、精神的経験値がもっとも高まる時期でしょうか。
30歳からの10年は、20代の影響を強く受けながらより内面の充実する世代?
40歳からの10年は、一山越えた感を抱きつつ老化を実感することになるのか。
そして50歳からの10年は......。

僕の父親はちょうど70歳で他界しました。早かった気もするけれど、
じゃ10年後の80歳まで生きたとして、倅の僕はヨボヨボな姿を見たかったかと
言えば、どうだろう。父親本人もそれを許せたか? などと考えてみるのも、
現実に父親の運命は70歳までだったからなんですね。

十年一日と十年一昔。最後の一文字で意味はだいぶ変わります。
前者は年月を経ても変化が乏しいことを、後者は移り変わりの激しさを表します。
いずれにせよ十年は何かを区切るのに便利なスケールなんだろうなあ。

10年後の自分を想像してみるんですが、20歳のとき、あるいは30歳のときも
そうだったように、具体的な絵は何も浮かびません。
まだヨボヨボじゃなきゃいいと、そういう願いは強くなりますけどさ。


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午前2時のグレープフルーツ