思いの外

「思い通りにならない」と悩み、嘆く。そういうこと、よくありますよね。
ただし、思い通りにならないということは、通したくなるような思いを
先に持っていたか否かが大前提になるんじゃないでしょうか。
大した思いもなく、勝手に膨らませた期待がすっとしぼんだだけなのに、
「思い通りにならない」と口にしちゃうことは案外多いかもしれません。
だからきっと、「思い通りにならない」とフルに落胆していいのは、
その思いを通すためにとてつもなく努力をした場合に限られるはずです。

友人の結婚パーティがあり、2曲、ギターを弾いてきました。
しかし、どうにもミスだらけでがっかりです。どんな緊張状態でも上手に
演奏するコツは、緊張くらいで失敗しないほど練習するしかありません。
NYのイチローさんが守備練習で背面キャッチをするのは、捕球の直前で
目を離してもグラブにボールが収められることを目的にしているそうです。
球から目をそらさないのが守備の基本だけど、試合になるとそういう場面があると、
イチローさんはそこまで想定しているわけです。

翻って僕は、昨夜のその演奏を「思い通りにならなかった」と悔やんでいいのか?
ダメです。そこまで練習してないことは自分がよく知っている。
ゆえにその結果は当然の帰結。でも、本人にとっては残念な演奏も、
歌い手が頑張ってくれたおかげでそれなりに盛り上がり、
何より主賓によろこんでもらえた。

それもある意味で「思い通り」じゃないんだけど、そういう場合は
「思いの外」とか「思った以上に」と言いますね。
であれば、世の中たいがいのことは思い通りにならないなら、
「思いの外うまくいかなかった」というような、芯を外すような表現で
自分を落ち込ませないという賢さも必要でしょう。
ものは言いようで良いようになる。って、オチはダジャレかよ。