僕が64歳になったら

『When I'm Sixty-Four』というビートルズの歌がありまして、いやしかしビートルズは
ある日突然やってきますね。特に思い入れがある歌じゃないのに、陽気に誘われた
鼻歌で流れたのがこれでした。特に思い入れがないから歌詞とかメロディがあいまいで、
なぜかそのまま放っておけなくなるのもまたビートルズナンバーの特徴というか、
そんなわけでさっきガッツリ聞き直してみたのです。

タイトルを直訳すれば、「僕が64歳になったら」。おそらく恋人に向けて、
「そんな歳になっても僕を必要としてくれるかい?」と、ポールがあの優しげな声で
問いかけます。ポールはこの歌の大半を10代後半につくったとか。
それを自分の父親が64歳になった1966年末に引っ張り出し、1967年6月発売の
アルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』に収めた。

ポール自身が64歳になったときは2人目の奥さんとの離婚を発表した直後で、
たいそうへこんでいたそうな。
歌詞の中では「64歳になってもヴァレンタインのプレゼントをくれるかい?」なんて
ささやいてるのにね。いやはや、どうにも現実ってヤツは......。

森高千里にも『私がオバさんになっても』という歌があり、
「泳ぎに連れてくの? ドライブしてくれるの?」とまだ若い自分が彼氏に問います。

やがて64歳になるだろう。いつかオバさんになるだろう。
そう思っている時点の未来というのは甘い予測なんですね。
順調に生き続ければ、順当に64歳となりオバさんになる。
バカボンのパパは41歳の春を歌い続けているけれど、その年齢を過ぎたとき、
越えちゃったなオレ、ってさびしかったもんなあ。なんか世知辛くなってきた。
鼻歌は鼻歌に留めておけばよかったと、たった今後悔が始まりました。
ああ、おはぎ食べたい。