おとぎ話の残酷

おとぎ話はけっこう残酷だったりします。たとえば浦島太郎。
浜でいじめられていた亀を助けたのに、竜宮城から帰ってきて玉手箱を開けたら
じいさんになっちゃいました、なんてのはあまりに過酷な運命というしかありません。

視点を乙姫に変えてみると、絵にも描けない素晴らしい世界を見せ、
その上こんなに美しい私を嫁にできたというのに、地上に残した父母が心配だからと
わずか3日で帰ると言い出した浦島にはがっかりしたんじゃないでしょうか。
だから例の玉手箱は一種の制裁だったのかもしれません。
「決して開けてはならぬ」って、開けろって言ってるのと同じだもの。

もしそこで浦島が開けなかったらどうなっていたんだろう。
いや、乙姫は私への未練で九分九厘開けると確信していたでしょうね。
もし本当に開けなかったら未練の欠片もないってことになるし。
それはさすがにさびしかったんでしょうね。
だから、わざと気になるセリフを吐いて浦島を見送った。
となると浦島太郎の話は、どろっとした恋愛小説と言っても過言じゃなですね。
いや、過言だろうな。まあまあ。

すべからく何か物事を行えば、その代償は払わなきゃならない。
何かを決断するって、そういうことなんでしょう。
浦島にしても、亀を助けたのは彼の善意だとしても、竜宮城への誘いを蹴るという
選択肢もあったはず。でも受けた。亀の恩返しだからと。
そもそもカメの役目は何だったのか? 乙姫のエージェント? 
わざといじめられ、助けてくれた心ある若者を乙姫の婿候補として連行する役目を
仰せつかっていたのかもしれない。怖いね。
とか、あれこれ考え始めたらキリがありません。今日はこれくらいにしときます。

オオフチさんの『NYほかけ船』更新。彼の地は強い北風で一気に冷えたそうな。