貪ってた

一日も早く見たい作品があって、久しぶりに映画館に行きました。『RUSH』です。
70年代に活躍した2人のF1ドライバー、ニキ・ラウダとジェームス・ハントの物語。
具体的に言うと、1976年シーズンの壮絶な戦いがストーリーの核になっていて、
当時14歳だった僕は夢中で彼らのニュースを貪っていたのです。
昨年末のホノルル滞在中にホテルのテレビでCMが流れていて、「なんじゃそれ!」
と叫んだくらい。まさか、あの時代のF1が映画になるなんて夢にも思わなかった。

と書くと、マニアックなレース映画かと思うでしょ? ノンノン。
監督が『アポロ13』のロン・ハワードさんだから、人間の魂にフォーカスした
ヒューマンドキュメント仕上げなわけです。でもって人間という曖昧な存在を
描く場合に欠かせない時代考証はリアルじゃないと説得力がない! 
リアルなんです。忠実なんです。特にストーリーの大事な裏方と言うべき
当時のF1マシンが本当に走ってるのよ。自分史上ベストワンのF1である
フェラーリ312T2 が咆哮を上げるだけで、僕なんか身震いしちゃうんだから。
あ~、DVDが出たら買うな。絶対だわ。

とまぁ、『RUSH』については語りたいことが次々沸いてきちゃいます。
チラッと紹介される当時のドライバーやマシンの名前は自分でも呆れるほど覚えていて、
なぜなんだろうと考えてみると、レース詳報が伝わるのが2、3ヶ月遅れ上等だった
当時の専門誌を何度も読み返していたからなんですね。
それだけ情報に飢えていたし、一度染み込んだ記憶はそれから何十年経っても
消えないんだと思い知らされるのです。

翻って現代、ソチのオリンピックはライブで見られます。それはとても便利だし、
リアルタイムで興奮できるけれど、70年代の僕らのような、
ある種面倒くさいけれど強烈な記憶にはならないでしょう。
想像や妄想の仕方を教わった気がするんだな。
まぁ、どちらがよい時代なのかはわからないけどね。
映画を見ている間中、僕はあの頃の中学生になっていました。
目に入るすべて、貪ってたもんな。