フタを開けられない世界

きっとどこかに隠れている。校正と呼ばれる誤字や脱字のチェックをするときは、
そうして疑ってかからなければなりません。
たとえば文庫本。1ページにおよそ700の文字が組まれ、
仮に200ページたっぷり埋まるとすれば1冊で14万字の計算になります。
それだけの量でも商品として売るのであれば、たった1字でも間違えちゃいけない。
編集者や校正を専門にしている校閲者はそういう気概を持っています。

他方、書き手は、もちろん誤字や脱字のある原稿を書くのは大変恥ずかしいことだと
思っておりますが、それよりも文体や展開の再確認や再構成に気が取られるので、
僕の知る限り、そして僕自身、校正がとても苦手です。
っていうか単純にたやすく見落とします。威張れたことじゃありません。
苦手ですむ問題でもない。けれど、これはもはや特質の領域に属する話であり、
たとえば陸上競技が得意な人はボールを投げるのが苦手だったり、
途轍もなくピアノが上手に弾けても歌はそれほどでもなかったりするのと同じです。
それぞれなのです。

とまぁ、何をぐだぐだ書いているかと言えば、ここの文章にも時に誤字や脱字が
あることを前もって、いやすでにトゥ・レイトですが、お断りしておきたいと、
かようにお願いする次第であります。アーカイブをチェックしたら出てくるんだろうな。
気付いたらこっそり直しているんだけど、それでもまだまだ隠れてるんだな。
怖くてフタを開けられません。