恥ずかしくない過去を

たとえばあなたが、これは人生最大だとおののくようなピンチに遭遇したとします。
自分ではどうにもできない他人の判断ミスが原因かもしれない。
あるいは他者を責めないのだとしたら、時代というものを見誤った自分が
静かに確実に危機を招いたのかもしれない。
そんなピンチを救ってくれるのは何だと思います? 当たり前のことを言いますよ。
あなたの過去です。未来という期待を抱かせるのは経歴という過去。
気にするなとか振り返るなと揶揄されがちな過去ですが、
それは自分自身の行動においてのみです。他者はあなたの過去ですべてを判断する。

って、何言ってんだと訝しがっておられるでしょうが、ある製造会社の奇跡の再生物語を
直に聞いて、やはり真剣なモノづくりに取り込んできた末に獲得した技術、
または真面目さというのはどこかで誰かが見てるんだと感じ入ったのでした。
捨て置くにはもったいないと、少しだけ生臭い話をすれば外資が買収を持ち掛け、
資金を投入して経営を立て直し、しかしモノづくりの現場体制はそのまま日本に
残したという、ある種の美談です。ありがちな話に聞こえるかもしれないけれど、
このご時世、実際にはなかなか起きえないですよね。

前に書きましたが、僕がフリーランスになるとき、ある著名なエッセイストに
フリーでやっていく秘訣を聞きました。
「どこかで誰かがきっと見ている。だからどの仕事も手を抜けない」
それも当たり前なんです。手を抜いていい仕事なんかないわけですから。
でもってこの秘訣の本当に怖いところは、手を抜いた過去は取り戻せないということ。
ああ、怖い怖い。やっぱり愚直なまでに真面目でいよう。
恥ずかしくない過去を築こう。今日から頑張ろう。