憧れが邪魔をする

昨日ここで「高校生でフェンダーなんて買えちゃうと
何かに憧れを抱く気持ちが芽生えないんじゃないか」とやっかみました。
でも、憧れが強すぎるとせっかくのチャンスを棒にふることもあるのです。
たとえばずっと好きだった人、そうだなあ、歌手でも俳優でもいいけれど、
その人が「今日からあなたのそばにいます」と申し出てくれたとして、
あまりに憧れが強いと「いえいえ、そんな滅相もない」と断っちゃいそうでしょ。
そうこうしているうちにその人はどこかに消えてしまい、
後になって「なんてもったいことしたんだろ」と本気で悔んだりする......。
う~ん、たとえが悪いね。歌手や俳優は現実的じゃないや。
けれどそれに匹敵するくらい大きな憧れを抱き続けたのが、
僕の場合はマーティンというアメリカのアコースティックギターでした。
高校生でその存在を知ってから手に入れるまで実に25年。
おおむね高価な楽器です。でも、大人になったら買えないものでもないんです。
クルマやオートバイは買えたんだし。そう考えるとなぜもっと早く手にしなかったのか
不思議で仕方ないのだけど、そこはやっぱり憧れが邪魔をしたんでしょうね。
オレには滅相もない、オレにはまだ早いと思ってた。
でも、いつになったら手を出していいのかもわからなかった。
つまるところ、あれこれいろんなことが一気に押し寄せた年に買っちゃいましたけど、
あれこれいろんなことが起きてふと縁を感じたなら、それがタイミングなんですよね。
そこでは目をつむり息を止め勇気を振り絞って崖から飛び降りなくちゃいけない。
でないと憧れは憧れのままで終わる。
マーティンが手元に来てからもう12年が過ぎたけど、もし今もそばになかったら、
僕の人生はだいぶ違うものになっていたでしょう。
そう思わせるくらい、憧れって大きな影響を及ぼすのです。