自分を語るのは難しい

自分のことを語るのは難しい。意見や考えなら別です。

ある特定の場では、厳しい言い方をすれば無言は無価値と同義です。

けれどそうではなく、経緯や経歴や遍歴や性癖等々、

パーソナルに関わることを自分の口で語るのは、

この世でいちばんつまらないんじゃないかと思ってしまうんですね。

それは恐らく、聞き手であるべきという職業的意識による屈折かもしれないし、

あるいは生まれもった特性なのかもしれません。いずれにせよ面倒臭い男です。

そしてまた、自分がそういう性質だから、自分のことを不適格に、つまりは下手に、

何というかそれしか話せない人が苦手です。

優れたインタビュアが目の前にいるんだからちょっと待てば? 

と言いたくなる衝動をぐっと抑えつつ、聴覚を遮断したりします。イヤらしいヤツだな。

などと好き勝手なことをくどくど語りながらも心の奥底では、

自分のことを自発的かつ丁寧に、微塵の嫌みも感じさせず話せる人に憧れているのです。

そういう人、なかなかいませんけど。

あるお方とそんな話題になって、

「でもやっぱり、できた人間は他者への感謝の念しかないんじゃないか」

という結論に達しました。ふむふむ。

それでも時節柄、立場上、自分を語らねばならず困っているようであれば、

安心してください。いい聞き手がここにいますよ! って営業か? 

安村君が来年の今頃も明るいままでいてくれるといいけど。