ヤツラ・ソイツラ


僕が通った高校は野球が強かった。サッカーも、だな。
そんなわけでスポーツ方面に力を入れたせいか学業方面は手薄でした。
でも、それはずっと昔のこと。
今は偏差値が上がっているかもしれないので迂闊なことは言えませんね。
まぁとにかく、少なくとも野球では有望な中学生を優先的に入学させていたようです。
セレクションってやつですね。ところが、いわゆるスポーツで入った生徒のすべてが
3年間野球を続けていい成績を収めるとは限りません。
早いヤツだと夏までにドロップアウトしてしまう。
ソイツがその後どうなったかは知りません。同じクラスには野球部が何人かいたけれど、
ヤツラはセレクション入学ではなく、そしてまた3年間真面目に部活を貫きました。
3年生のクラスには主将がいて、自称抑えの切り札、僕らはエースをもじって
ビースと呼んでいたピッチャーもいた。
もし有望視された生徒が誰ひとり辞めなかったら、ヤツラは主将やビースになれたのか。
彼らには内緒でそんなことを考えたことがあります。
こう言っちゃ失礼だけど、想定された超一級チームではないんですよね。
残った選手だけで組まなければならないチームだったわけです。
でも、比較もまた想定の域を出ません。それに、スタートで先に行かれても
後から追い抜かすような成長を遂げる選手だっている。
大人になってわかったのは、続けるヤツが勝ち。
好きでいられることが数ある才能の中でもっとも大事なんじゃないかと今は思います。
下手の横付きであれ、楽しんでるヤツにはかなわない。
ドロップアウトしちゃったヤツラは野球を恨むのかな。
本当に恨むべき相手が誰か、どこかで出会えたかな。