みんな一人

分類すればバーだけど、ありがちなイメージよりはずっと明るくて、

人懐こさが漂っている店が近所にあります。常連もたくさんいます。

最近話題の人は、コーラかオレンジジュースしか飲まない黒人の仮称A。

聞けばアルコールが嫌いらしい。遅い夜のバーでノンアルってねぇ。

ありがちなイメージでは語り切れないということです。

白人の誰もが高笑いしないし、東洋人がみなメガネをかけているわけでもなければ、

たぶん黒人の誰もがブルースを上手に歌えるわけじゃない。Aの歌は聞いてないけど。

一昨日の晩も会って、いつもより陽気に下ネタをぶちまけてました。

ふと思うのは、僕にできるだろうか、ということでした。下ネタじゃないですよ。

一人故郷を離れ、遠い国で働き、気軽に寄れる店を見つけて、

何気ない話ができる仲間をみつけることが、です。

まったく自信がありません。元来が臆病で、出不精で、

しかも語学のセンスがないから、知らない国に行ったら寂しさに負けて逃げ出すはず。

テレビをつけたって何やってるかわからないんですよ。

しばらく滞在すればいろんなことに慣れるんだろうけど、

そのしばらくがどれだけ続くか想像するだけで、もうダメです。旅行じゃないからね。

Aは寂しくて国に帰りたいと思ったことがないのかな。次に会ったら聞いてみよう。

でもアイツ、本当は日本語が上手なくせに英語ばかり話すんだよな。

最近はイケメンの中国人も来ます。みんな一人でやって来ます。

そういう場所があると、僕らの日々に風味というものが足されるみたいです。

いろんな酒をかきまぜたカクテルみたいに。


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