1周年

いつもの連中や久しぶりの顔などどっさり集まってわんさか盛り上がり、
通常の営業時間をとっくに超えて、ようやくすべての後片付けが終わり
ひとり厨房を見回したとき、そこでようやく溜息をつけるんじゃないかと思います。
これは、1周年の盛大なパーティを終えた店主をイメージした勝手な回想シーンです。
いろいろ思うでしょうね。
よくまあ1年やって来られたなあ。でも、となりの店はもっとずっと長くやってるし、
1年くらいで感傷に浸ってる場合じゃないかもなあ。
いや、1年足らずで畳まざるを得ない店だってたくさんあるしなあ。
僕ならそんな無言のつぶやきをため息に混ぜるでしょう。
そして、こうも考えるはずです。誰に感謝すべきか? 
自分か? いやお客か? あるいは産んでくれた親か? 
いずれにせよ数的には自分以外が圧倒的に多いのだから、みなに感謝しよう。
その謙虚さが大事なんだ。うんうん、とまた静かな独り言ちのため息......。
常連を気取らせてもらっている生身の僕はこう思います。
ありがとね。みんなあなたに感謝しているよと。それは素直な気持ち。
こうも思います。誰も知らない深夜の厨房に積もる小さなため息が、
そこで踏ん張る目に見えない支柱になっていくんじゃないかと。
始めること。続けること。終わらせること。そのどれもが等分に大事なんでしょうね。
以上、近所のバーの1周年記念に向けた僕の祝辞です。