桜散文

桜、というかソメイヨシノは1本の原木から接ぎ木して増やした
クローンだと言うと驚く方がいます。
エドヒガンとオオシマザクラという品種を交配させてつくったそうです。
上野公園にある1本がその原木だという学術調査もあります。
僕の街あたりではいよいよ花びらを散らし始めましたが、北のほうはこれからですね。
そのすべてのソメイヨシノは、親兄弟や親戚でもなく、あるいは赤の他人とも言えない
まったく同じ遺伝子を持った複写だと思うと、何だか興醒めしそうですね。
そして人々は、花が散ると「桜も終わりだね」と口にします。
風情重視ならそれはそうだけど、新芽の緑の美しさに注目すれば、
ぜんぜん終わりじゃないと思うのです。
けれどやがて、本当に桜が終わるときがくるかもしれません。
ソメイヨシノの寿命は60年と言われています。
何しろクローンだから、植わっている環境による後天的な違いはあっても、
寿命自体はおそらく判を押したような形をとるはずです。
「だから何なの?」と叱られそうですね。
昨日の雨風で散る桜を見て、何かを語っておきたい気分になっただけです。
よく晴れた日に音もなく花びらが風に舞う姿はとても好きです。