じっと待つ

おとぎ話の原本が実はかなり残酷なことは多くの人がご存知だと思います。
たとえば三匹の子豚。まずは母豚が、自分たちで生きていけよと
いたいけな子豚たちを外の世界に放り出すところから始まります。
子豚たちはそれぞれ住処をつくるのですが、一番目の子豚は藁で、
二番目の子豚は木の枝でこさえた家を、
それぞれオオカミに吹き飛ばされた挙句に食べられてしまうのです。
それを知ってか知らずか、3番目の子豚は煉瓦を積み上げます。
オオカミもさすがに煉瓦は吹き飛ばせないので、煙突から家の中に入ろうと試みて、
鍋に煮え立つ熱湯に落ちます。それを3番目の子豚が食べてしまう。
2番目までが食べられたことを知ってか知らずか。
この物語のオオカミは、おそらく外界に潜む恐怖のメタファなのでしょう。
しかし、生き残れる確率が3分の1という展開をどう受け止めるべきか。
昨日は僕の街でも強風が吹き荒れ、ベランダに置いている金属製の物置が
ズズズッと動いてしまいました。そんなに軽くないのにな。
自然に僕らと同じような意思があるとは思わないけれど、
もし彼らが本気になれば、僕らは簡単に吹き飛ばされてしまうのでしょう。
抗って食べつくしてやろうとしたら返り討ちにあうかもな。
彼らが暴れるときは、じっと待つしかないみたいです。

オオフチさんの『NYほかけ舟』更新。ただいま日本滞在中です。