偉大な経営に対して僕にできること

これはしょっちゅう考えることで、当事者たちにも声に出して言ってしまうのですが、
店を経営するということには絶大な賛辞を贈ると同時に、
自分には絶対にできない仕事のひとつだと思っているのです。
仕入れや売り上げ、店舗設計や接客、飲食店なら味付けだの盛り付けだの、
そういうの全部ひっくるめた上で、店という場所で客を待つ以外に
商売が成り立たないという事実に、たぶん僕は耐えられません。
「あんただって自営業だろう」と彼らは言ってくれますが、
極端な話、場所はいらない家業ですからね。知識や情報という仕入れは必要だけど、
店舗経営ほどのコストやリスクはありません。それに何より身軽。この差はデカいよ。
とは言え各自が目指す地平は異なるから、それぞれの覚悟があるわけですが。
「まったく、僕がここにいて動ける距離なんて、店内から店の外の路地の幅までっすよ」
客が途絶えた午後4時過ぎのカフェ。店長さんと並んで店外のベンチに座り、
スカッと晴れ渡った空を見上げながら飲むコーヒーは、
冷め加減に伴ってちょっとだけ苦味が増していました。なんてね。
僕にできるのは常連をキープすることくらいかなあ。