燃える話下手

昨日のここの最後で「どんな人が取材しやすいか」と書きましたが、訂正します。
そんな人はいません。取材後、「今日は楽しかった」と心弾むことはありますが、
それが「取材しやすい人」ではないし、ましてやお会いする前に「今日は楽勝だ」
などと思うこともありません。そんなふうにナメたら必ず痛い目に遭う。
ええ、何度も遭ってきました。イタタ。
なので今日は、「どんな人が燃えるか」について触れます。それは、無口な人。
あるいは話すのが苦手だったり下手だと思っている人です。
頭に浮かんだことがすぐさま口に出せない人はたくさんいます。
はたまた、どう言うべきか時間をかけて言葉を選ぶ人も少なくありません。
話すのが苦手とか下手というのは、およそそういうことなんですね。
あまり好きな表現ではありませんが、人とくらべて発言に時間がかかるだけ。
何も考えていないわけじゃない。そういう方々から言葉をもらうにはどうするか? 
やはり、相手が何かを発するまで待つ。質問してから答えが返ってくるまで、
そこにいかなる間が膨らもうと、ただひたすらじっと待ち構える。
そうして、じっくり考えていいんだと相手が安心してくれたら、
その後は案外スルスルと会話ができたり、場合によっては急に饒舌になったりします。
その瞬間は心の中でガッツポーズ。すごくうれしい気持ちになるんですよね。
インタビューが上手くいくと、よく引き出し上手と言われますが、それは違います。
僕が何かを引き出したのではなく、相手がその胸の内にあるものを引き出されたいと、
そんな願望があるのではないか。その自分でも予期せぬ願いをしまってある扉を、
僕が小さくノックするだけ。そう思うのです。
インタビューは十人十色。取材しやすい人も、あるいはしにくい人もなく、
毎回新鮮な緊張感を抱いてお仕事に励んでおる次第です。