相性

相性というものを考えることがあります。主に仕事の局面ですが、
同じようにやっているはずなのに、Aでは認められ、Bでは受け入れられない、
ということが起きた場合に、Bに対してのみ、それを考えてしまうのです。
僕の仕事は原稿が成果物ですから、読み手によって感じ方が変るのはやむを得ません。
そしてまた、個性またはアクが強かろう原稿を書くものですから、
どんな人にも気に入ってもらえるなんて思ってもいないんですね。
それにこの世には優れた物書きがたくさんいます。
僕が今こうして何とか生計を立てていられるのは、ほぼ運と縁の賜物です。
でもだからこそ、せっかく依頼されたなら気に入ってもらえるものを書きたい。
だから、それとなくぎくしゃくしてしまうBに対して、
最初から相性が悪いとは思いたくないのです。それを言い訳にしていたら
仕事の幅も技量も狭くなる一方だしね。
しかし、それでもやっぱり生身の人間同士には相性があって、どんなに頑張っても
相容れることができない場合があります。何度かそれに逆らってみたんですが、
他では認められる自分の自信が少しずつ削れていってしまいました。
となると、もはや関係を断つしかありません。要するに逃げました。
もちろんちゃんとお断りの理由を伝えて。
かなり悔しかったけれど、今となってはそれでよかったと思っていますし、
次に同じような事態を招きそうだったら、やはり同じ手段を取ります。
人に勧めるべきかどうかはわかりません。そういう選択もありますよというお話です。
ちなみにネットで相性を探ると、占いばかりが出てきます。
人間同士なら、それが先に立ってもいいんだね。
すり合わせに無駄な時間を使わなくて済むから? ふむ、さて......。