時間が止まっているのは...

この三連休で訪れた岩手県の野田村は、太平洋に面した小さな村です。
5年前の3.11でも津波に飲まれました。
その爪痕はほとんど残っていませんが、新たな防潮堤の建造や、
一度すべてが流れた土地の造成など、「これがそういうことなのか」と
注視してしまうところがたくさんありました。
だから遠くから来た旅人は、ついその話題に触れてしまいます。
どことなく気の毒がりながら。申し訳ない気持ちを漂わせながら。
でも村の人々にすれば、変りゆく景色は日常のもので、
あった家がなくなり、別の建物になると、
前に何があったか上手く思い出せないと言います。
それは乗り越えるとか頑張るとか心構えることではなく、
受け入れる以外にない必然みたいです。
今回は村役場の方と長い話をしましたが、彼は津波で愛車を流されました。
けれどそのクルマが大好きだったので、同じ型の中古車をネットで探して
手に入れた経緯を、クルマ好きのエピソードとして話してくれました。
ああ、そういうことなんだと。クルマを失った事実に同情するのではなく、
そこまでして同じ型を買うなんてねぇ、と笑うべきなんだと、
そんな風に思いました。
時間が止まっているのは余所者のほうですね。
野田村のことはおいおいまた。あれこれ張り切っている村なんですよ。

オオフチさんの『NYほかけ舟』更新。彼の地の展示会修了。次はTOKYO!