並行と交錯と永遠のお別れ

もしかしたら飛び移れるんじゃないかと思うくらいの至近距離で並走する電車、
というか路線があるでしょ。京浜東北線と山手線とか。僕がよく使う私鉄にもあります。
異なる路線がひとつのホームの両端に止まる駅から、二つの車両がそれぞれ別の
方角に向かうとき、ごくわずかですが並走するんですね。
けれど、一方は高架を登って南へ、もう一方は地面をたどって西へ。
その互い違いの動きがおもしろくて、つい反対側の電車を見ちゃうんだけど、
少しずつ離れていく向こう側の窓からもこっちを見ている人が必ずいます。
そのお別れの刹那、僕らは見つめ合うことになる。
手持ち無沙汰そうな女子高性だったりサラリーマン風のおじさんだったり。
赤の他人がそんなふうに視線をロックさせることができるのは、
もはやいずれも確実に手出しできないからですよね。
何が言いたいかというと、親しかった人との別れ方ってこんな感じだったかなあって。
そんなこと思いながら電車に乗るのは僕くらいでしょうか。
でもさ、巨大な動く箱に乗せられて別々の道を行くのって、
何かのメタファみたいじゃない? 
いや、精神的にしんどいことがあったわけじゃなく。