「撮ってるなあ」

2週間前の野田村ツアーで気づいたことのひとつに、
「オレはファインダーをのぞいて写真を撮ることが好きだったんだ」があります。
別の見方をすれば、デジタル一眼レフカメラという新しいオモチャがおもしろくて
仕方なかったとも言えるわけですけど、やっぱりね、カメラのボディをしっかり握って、
ファインダーという黒枠の窓をのぞいて被写体に向き合うと、
「撮ってるなあ」という静かな高揚感が立ち上がってくるのです。
この時代、スマホでも相当にきれいな写真が撮れます。そうした手軽な装置は、
写真という記録を残すことに長けているわけです。記録を楽しむならそれで十分。
ファインダーではなく広い画面で被写体を確認できるというアイデアも秀逸です。
ただ、改めて一眼レフを使ってみたら、写真という記録を残す行為だけでなく、
写真を撮る行為と、写真を撮る道具への興味も沸いてきたんですね。
これは世界が広がるなあと。
一眼レフを用いるだけできれいな写真が撮れるわけじゃありません。
むしろ機能が多くなって素人には厄介なことが増える。
それでも、厄介を克服した先にはより素晴らしい写真が撮れる可能性があります。
楽器に似ているんですよね。どんなに高価でカッコいい楽器でも、
練習を繰り返さない限り素敵な音色を奏でられるわけじゃない。
その上達の過程を楽しめるか否か。
過程を楽しむべきだと考えてしまう僕は、たぶん厄介な人間です。
それでもやっぱり、ファインダーをのぞいたときの「撮ってるなあ」感は、
僕が持っている他の撮影装置では得難いものです。
早くもいいレンズが欲しくなる点は、ある意味で忘れていた災厄の降臨とも言えますが。

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