さよなら千代の富士

九重親方というより、僕ら世代には千代の富士です。この人は本当にカッコよかった。
金剛力士のような筋肉質の体躯は、従来のお相撲さんとはまるで違っていました。
さっき調べたら、一人横綱時代は1年もなかったようですが、昭和後半の相撲人気は
千代の富士ひとりの肩にかかっていたという記憶があるほどです。
生後4か月の娘さんを亡くした直後の場所で優勝したり、
相撲界初の国民栄誉賞を受賞したり、そして角界のプリンスともてはやされた
貴花田に敗れて引退を発表したりと、何もかも劇的だった。
そうだな、マイケル・ジョーダンと同列のスーパースターですね。
だから実際に何歳か知らなくても、うんと高いところにいる人だと思っていました。
61歳は若すぎですよね。僕と10歳も違わなかったなんて。
そうして偉人の訃報に触れ、実年齢を知らされると、何というか歳の差が
圧縮されたように感じられるのは、間違いなく僕も歳を取ったからです。
もうそろそろそういうのはいいですよね、みたいな。単純に甘えるのとは異なって。
だから余計に堪えるんです。骨身に沁みるような報せでした。
心からご冥福をお祈りするばかりです。
冥界には歴代の名横綱がたくさんいるだろうから、
僕らの目に焼き付いている豪快な相撲で暴れてください。