だよね、ジョン?

ある人と想像力について話していたとき、自分でも月並みなもんだと思いましたが、
ジョン・レノンの『Imagine』を頭の中で鼻歌しました。
1971年の発表だって。45年も前の歌なんだね。
タイトル通り、イメージすることでこの世界は変わるとジョンは歌います。
冒頭の歌詞はこうです。
Imagine there's no Heaven It's easy if you try 
~想像してごらん。天国なんてないこと、簡単に思いつくでしょ~ 
こんな訳で合ってるかな。いずれにせよノー・ヘブンと頭っから言い切ったことで、
キリスト教世界では少なからず反感を買ったそうです。そうなのかと、
キリスト教信者ではない僕は思うのだけど、なぜ信者はこの歌に違和感を覚えたのか、
あるいは信者の気分を知らないはずがないジョンがなぜこんな歌詞を書いたのかは
想像するしかない......。いや、違うな。
他界したジョンには無理でも、キリスト教を信じる人たちにその思いを聞いてから、
僕は僕なりの見解を持たなければならない。それが筋ってもんじゃないでしょうか。
となると、何もないところから想像するのは無理ということになります。
そうだよね、ジョン? 
一方で、経験が想像を邪魔するという論理も成り立ちます。多くの物事を知ることは、
いくつもの道筋を知ることでもあり、すべからく落ち着く先が見えてしまう。
ふむ、本当にそうだろうか。
7月に岩手県の野田村に行き、震災から5年を経た町で暮らす人々に会って、
僕は自分のイメージのひ弱さを思い知りました。ひとつの結論は、
時間が止まっていたのは遠くで気の毒そうな顔をしている僕らのほうだということ。
そうして現実の一端に触れ、自分の中に事実という石垣が積まれ、
そこからまた新しいイメージが生まれてくる。どんなにたくさんの経験をしても、
せっせと石垣を積む努力を惜しまなければ、
さらに一段高いところからこの世界を見渡すことができる。
経験が邪魔をするというのは、単に想像力の可能性を否定する言い訳にしか過ぎない。
だよね、ジョン?