その勲章の意味、関節だけは知っている。

手首の付け根には腕から伸びてくる太い橈骨(とうこつ)と細い尺骨(しゃくこつ)が
接続する個所があるんですね。そこには関節を自由に動かすための軟骨があるんだけど
それがすり減ってしまうと、軟骨があった個所に尺骨が突起状に伸び、
橈骨と当たって炎症を起こすんだそうです。しかもこの腫れは、
関節の炎症が引き金になった関節液異常分泌。つまり水が溜まるってやつ。
「それってヒザと同じじゃないですか!?」と思わず大きめの声を上げてしまいました。
そんなわけで近所の比較的大きめの病院で右手首を診てもらいました。
このケガに関しては職業病と諦め、これまでは治るのをじっと待っていたのですが、
さすがに頻度が高くなってきているので、今回は正しい判断を仰ごうとしたのです。
そしたら、ヒザと同じってことは要するに加齢でしょ? 
「いえ、ヒザは常に荷重がかかるので、確かに加齢の影響を受けやすいけれど......」
僕を診てくれたのはせいぜい30代前半の、イケメンと呼んで差し支えない
爽やかな感じのドクターで、そんな若者に気を遣わせると心が痛むのよ。
「手首の場合は加齢による軟骨のすり減りは珍しいんです。
となると、一般よりはかなり使っている証拠ですね」
というような診断を受け、やはり職業的な特性が原因だと判明しました。
ただ、すり減ってしまった軟骨の再生は困難なので、「予防するにはサポーターを
装着するのがいいでしょう」。ふむ。
原因がはっきりすると安心するもので、心持ち痛みも和らいだ気がします。
ここまで働いてきた勲章にするしかないか。誰も褒めてくれなくても、
関節だけはその事実を知っているからね。それにしても、ヒザと同じだったとはねぇ。