敵は常に内にいる

インタビューでもっとも難しいのは、無口な人でもおしゃべりな人でもありません。
自分が好きな人です。要するにファンというか、毎週楽しみにしているドラマに
出ている俳優さんなどは、もう本当に困ります。
あのシーンがよかった! このシーンはどういう心境で? とか、
相手と対峙している間中、個人的な興味の沸騰と戦わなければならないからです。
「自分が好きな人に会えたほうがいいんじゃない?」とおっしゃる方もいます。
それはそうなんだけど、特別な感情のない人と話すときとのギャップが
職業的に怖いんですね。感受性がフラットじゃなくなるというか。
それに、こっちから余計な電波を発するのは相手にとってどうなんだろうと。
「ファンです」と言われて嫌な気持ちになる有名人はいないかもしれないけれど、
「今それ言わなくてもいいんじゃない」という自分もいたりして、
できれば好きな人とは仕事したくないと思うほどです。
贅沢な話? その通りですね。さっき書き上げた原稿は、まさにその手のものでした。
インタビューした後、現在放映中の番組を見たら、
会う前以上にその演技の巧みさに感動しました。誰だか言いたい。今は言えない。う~。
それにしても、敵は常に外ではなく内側にいるもんだなあと再認識しました。
くわばらくわばら。