心を大にして!

「心を大にして!」。これ、最近の大ヒットです。説明しますね。
いわゆるプライベートってやつで、という場合はたいがいお酒が入りますが、
その類の場所で会う初対面の人とは、まず「お仕事は?」となるでしょ。
なので僕の場合は物書きとかライターとか答えるわけですが、
すると相手は同業者でない限り「へぇ」などと感心なのか驚きなのか、
まぁおよそ好意的に受け止めてくれます。でも、ここからがちょっと、なんです。
「文章書けるってスゴい」。いやいや、文章だけなら誰でも書けるじゃないですか。
日本人の識字率は世界最高峰だし、今やスマホで文字を打たない人は少ないだろうし。
おっしゃっている意味はわかりますよ。誰でも使える文字をお金がもらえる文章に
紡ぐというのは、そりゃまぁそれなりの鍛錬が必要です。それがスゴいかはさておき。
ただ、プロというのはある程度の枠というか縛りというか、誰でも読める文章を
仕立て上げなくてはなりません。もちろん誰にでも書けるものではない個性や特性は
必要ですけど、それでも破天荒過ぎはNGです。
だから、先日会った初対面の人が何かの折に発した冒頭の、
「声を大にして」を言い間違えた「心を大にして」などは容易に提出できないのです。
「声を大にして、ならぬ心を大にして」と説明するのもダサいでしょ。
何が言いたいかというと、時として素人さんの突拍子のなさに憧れるわけです。
原石の可能性というか、野放図な野性味というか。
そういうの自分には書けないなあって、実は軽くへこんだりします。
「心を大にして!」。いいよね。何か響く。いつかどこかで使わせてもらおう。