ホームとルーム

夢に出てくるとしたら、これまでに住んだどこになるだろうか? 
なんてことをふと考えました。ええ、引っ越しの最中の、ある意味で逃避行的妄想です。
今住んでいるところは一度も夢に出てきませんでした。その前のところもそう。
可能性があるなら、というか一二度見た覚えがあるのは10歳から暮らした団地です。
なぜだろうと思考を巡らせて、そこは僕にとってもっともホーム感が強いから
という結論に達しました。個人的な感覚ですが、おそらく家というのは
平地にどしっと建ってるものだと思うんですね。しかもいわゆる持ち家。
マンションも個人で買える立派な家ですけど、鉄筋コンクリートの借家ばかりに
住んできた僕にすると、何というか家とはちょっと違うものに感じます。
今もこれから住む場所も相変わらず鉄筋コンクリートですから、
家ではなく部屋と呼ぶほうがふさわしい。そう、家ではなく部屋を借りる感じなんだな。
じゃなぜ借家だった鉄筋団地にホーム感を抱くかというと、端的に言えば幼かったから。
借家であることは10歳の時点で知っていましたが、
そこに住まわざるを得なかった現実的な親の経緯や苦労などまるでわからず、
その家を軸にして少年らしい冒険を繰り返し、
つまりは町に育てられた意識が今も根強く残っているのです。
これは年数だけの問題じゃないですね。
ホームとルーム。そこには構造や規模の違い以上の大きな隔たりがありそうです。

オオフチさんの『NYほかけ舟』更新。オオフチさんは引っ越しが大嫌いだそうな。