「あなたの目標は?」

ある特定の人物を記事化するためのインタビューは、事実確認を軸にしながら、
過去から現在に至る経緯をたずねていくのが常套です。そして最後に未来をたずねる。
一例を挙げると、「あなたの目標は?」。この質問、必ずしも妥当とは思っていません。
なぜなら、その問いに明確かつ正直に語れる人は少ないから。
たとえば現役アスリートなら、戦績といった具体的な数字や大きな大会への出場という
わかりやすい目標を立てやすいでしょう。けれど民間人というか一般人は、
そんな激しい日々を送っていないですよね。
あ、「営業成績でトップを取りたい」というケースもあるか。
でも、そう答えてくれたら僕は、「トップを取ったらどうしますか?」と
たずねずにはいられなくなります。いやらしいインタビュアだからね。
要するに未来に関する質問というのは、およそ誰にとっても答えに窮する類なのです。
会社を一部上場企業にしたいとか、属する組織の計画なら語れるかもしれません。
その道筋だって読めるでしょう。けれど、一個人としての未来や目標というのは、
つまるところ生き方そのものを見つめ直さなければ答えなど出るもんじゃありません。
より良く見つめたって、不確定要素が多すぎてよくわからないことのほうが多い。
そうだろうと予測しておきながら、それでも未来や目標をたずねるのは、
その問いに対峙したときのインタビュイ(聞かれ手)の言動を見たいから。
そこに個性が現れると僕は思っています。まったくいやらしいでしょ。
本当に求めているのは質問に対する回答じゃないんだからね。
しかし、「あなたの目標は?」なんて聞かれたら困りますよね。
自分ならどう答えようかと考えあぐねて、しばらく黙ってしまうかもしれないな。
そんな事態に陥ることを避けるため、僕は「インタビュアでい続ける!」を
目標に掲げることをここに宣言します。たとえ卑怯と罵られようとね。

オオフチさんの『NYほかけ舟』更新。常連さんからのメールに関する話題です。