現状維持

現状維持。この言葉には、どことなく諦めの匂いが漂います。
たとえばプロ野球選手の契約更改でスポーツ新聞が「現状維持」という見出しを使うと
「アイツは今年鳴かず飛ばずだったのか?」みたいなイメージになるでしょ。
ニュースとしては「50パーセントカット」のほうがショッキングで話題性があるから
あるいは現状維持の選手は記事にすらしてくれないかもしれない。
会社もそうでしょうね。
社長さんが大声で「来期の目標は現状維持!」とは言わないと思います。
今日より明日。今年より来年。少しでも高みを目指し成長を求める......。
それはそうなんだけど、現状維持もそう簡単にできることじゃないですよね。
ある程度の重さや長さを持った平均値を現状と呼ぶのであれば、
その値に至るにはトップとボトムがあって、時に両極の間には大きなギャップが
生まれることだってあります。それをあの手この手で何とかやりくりし、
運や縁といった自分ではどうにもできない力を借りながら現状を維持する。
刹那的に言えば、いいことも悪いこともあるけど今日も生きてる、みたいな感じ......。
最近はちょいちょい飲み屋さんの話になりますけど、
大好きなお店が今日も営業しているのがありがたいわけです。
そんな心休まる現状維持もあるんですよね。安直な安定とは異なる意味合いでね。
けっこう深いですよ、現状維持。それを笑うとバチが当たるような気がします。