スマホと目くじら

どこに属すでもない時間帯の電車の中。まだ喋ることができないと思しき
乳幼児を抱っこしたお母さんが、スマホを使ってあやしていました。
それをとなりに座った眼鏡のご婦人がいささか険しい目つきで眺めていました。
ほぼ目くじらが立った状態。ふ~む。
いつだったか夕方のニュース番組で、育児にスマホを使うかを、実際のママたち含め
道行く女性たちにインタビューしているのを見たんですね。
回答はおおむね、やむを得ず使っているというものでした。
特に人混みの中で泣かれたときは、スマホを見せると一発で治まるからなんだって。
確かに、至近距離で動画など見せられたら興味はそこに集中するだろうね。
というわけでスマホは育児にも便利な素晴らしい発明なのでした......、
で落着しないようです。それは僕にもわかる気がします。
ご婦人が目くじら立てたように、「そんなもの小さなうちから見せてどうなのよ」とね。
でもきっと、そのご婦人が今を生きるママなら同じように使うかもしれない。
とまぁ、直近の数十年は目を見張るようなイノベーションの連続だから、
世代間の感覚に相応の溝が生じても仕方ないと思います。
それでも、少なくとも夕方の番組の人々が「止むを得ず」と答えたことに
何となくホッとするところはあるし、それ以上に電車の中で赤ん坊が泣いたくらいで
迷惑がる大人がいない社会を大人たちがつくるくらいの気概がほしいです。
スマホを見せられた乳幼児、時に興奮して短く大声を上げていました。
その度にお母さんが口元で「しっ」。それに同調してご婦人の目くじら角度が反り......。
どこにも属さない時間帯でよかったなあと。