苦手

羽生結弦というスケーターには苦手がないと、ある解説者が語った記憶があります。
ルッツだのフリップだの、素人には違いが判別しにくい様々なジャンプ技の、
どれをとってもスムーズに飛べる。だから強い。
けれど羽生選手にすれば、実は不得手があるのかもしれない。
それすら必死で練習しマスターし、得手に変えた可能性はあります。きっとそうだな。
一流ってすごいですよね。ったく僕なんか今でも苦手に悩んでいます。
ライターという仕事は、おおむね結果に期待というか枠が設けられているので、
何でも好きに書いていいわけではありません。とは言え、誰が書いても同じような
記事じゃ依頼は減るし、ある程度の自由な表現を担保するための説得力や示唆
またはテクニックで培われた個性が必要です。自分で言っておいてナニですが、
僕が体現できていると自負してるんじゃなく、そうありたいと願っているんですよ。
いずれにせよ僕の原稿は、個性以前の我の強さがあるので、「それでもいいか」という
クライアントからの依頼がほとんどです。だからけっこう自由に書かせてもらえる。
けれど中には、先方の個性に合致させなければならない仕事があります。それが苦手。
誰かの型にはめるというのがねぇ。何というか、自由を奪われた気になって、
何が正解かわからなくなる。プレッシャーを受ける仕事を断ることもできます。
ただ、断れば次の依頼はないかもしれなし、気持ち的にも逃げていいのかと、
もはや原稿を書く前から苦手意識が顔を出す。どうしたもんかなあ。
なんて悩みを、多くの方が仕事納めの日につぶやいております。今年もお疲れ様でした。
こちらはまだまだ納まりません。ふぅ。

仕込み万歳『一滴入魂! 自家製鍋ダシ』第4話アップ。たたみかけまっせ。